登録講習機関の「計画的監査」と「随時監査」の違いとは?準備チェックリストつきで行政書士が解説

監査 2026年05月26日

登録講習機関の「計画的監査」「随時監査」の違いとは?
準備チェックリストつきで行政書士が解説

「毎年受ける監査と、突然来るかもしれない監査は違うのか?」「随時監査はどんな場合に実施されるのか?」。登録講習機関の担当者が実際に抱えるこれらの疑問に、監査実施団体として多くのスクールを担当する行政書士が具体的に答えます。

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この記事でわかること

計画的監査は毎事業年度に義務づけられた定期的な外部監査、随時監査は問題発生時等に実施される臨時の監査
② 随時監査が実施される4つのトリガーと、それを避けるための対策
③ 計画的監査と随時監査の比較まとめと対応策を整理
④ 監査前に確認すべき準備チェックリスト10項目

登録講習機関に関わる2種類の外部監査

登録講習機関・登録更新講習機関に関わる外部監査には、大きく2種類あります。それぞれの目的・主体・頻度が異なるため、まず全体像を把握することが重要です。

種類 実施主体 頻度 目的・特徴
① 計画的監査 監査実施団体(外部) 毎事業年度1回以上(義務) 第三者による定期的な外部監査。すべての登録講習機関が毎年受検する義務がある
② 随時監査 監査実施団体(外部) 問題発生時等(臨時) 特定の問題や疑いがある場合に実施される臨時の外部監査。予告なしの場合もある
ポイント

「計画的監査を受ければ十分」ではなく、計画的監査への備えと随時監査のリスク回避という2つの観点が必要です。それぞれの違いを理解した上で、日常的な適切運営が不可欠です。

計画的監査とは

計画的監査とは、毎事業年度に1回以上実施が義務づけられている定期的な外部監査です。「無人航空機の登録講習機関及び登録更新講習機関に関する省令」第6条に基づき、登録講習機関はすべて受検する義務があります。

項目内容
実施頻度毎事業年度1回以上(義務)
実施主体国土交通省に登録された「登録講習機関等監査実施団体」
受検義務の例外事業年度内に講習を実施していない場合(受講者0名)は義務なし。ただし任意受検は可能
主な確認事項省令第6条の要件全般(講習記録・安全管理規程・講師要件等)
実施方法訪問監査またはオンライン監査(監査実施団体によって異なる)
結果不適切事項がある場合は是正指示・監査報告書を発行

⚠ 計画的監査は事業年度内に受検する必要があります。事業年度終盤に集中すると日程が確保しにくくなるため、早めに監査実施団体へ連絡することをお勧めします。

随時監査とは・どんな場合に実施されるか

随時監査とは、特定の問題や疑いが生じた場合に、計画的監査とは別に実施される臨時の外部監査です。以下の4つのトリガーに該当する場合に実施される可能性があります。

計画的監査で重大な不適切事項が発見された場合

計画的監査で発見された不適切事項について是正指示が行われたにもかかわらず、適切な是正対応が行われない場合や、特に重大な不適切事項がある場合は随時監査の対象となる可能性があります。

重大な事故・インシデントが発生した場合

実地講習中の機体の墜落・接触・負傷事故など、安全管理上の重大なインシデントが発生した場合に随時監査が実施される場合があります。事故発生時の適切な対応・記録・報告が重要です。

国土交通省等から情報提供・通報があった場合

国土交通省・受講者・関係者からの通報や情報提供により、不適切な運営が疑われる場合に随時監査が実施される可能性があります。

運営上の問題が外部から認知された場合

講習の質・安全管理に関する問題が外部から認知された場合など、社会的信頼を損なう事態が発生した場合にも随時監査の対象となる可能性があります。

🚫 随時監査は予告なく実施される場合もあります。「計画的監査が終わったから大丈夫」という認識は危険です。計画的監査の後も継続的に適切な運営状態を保つことが、随時監査のリスクを最小化する唯一の方法です。

計画的監査の特徴
  • 毎事業年度1回以上の実施が義務
  • 事前に日程調整を行う
  • 省令第6条の要件全般を確認
  • すべての登録講習機関が対象
  • 監査報告書を発行
随時監査の特徴
  • 問題発生時等に臨時実施
  • 予告なしの場合もある
  • 特定事項を重点的に確認
  • 問題が疑われる機関が対象
  • 重大事案では行政への連携も

計画的監査と随時監査の比較まとめ

比較項目 計画的監査 随時監査
実施主体 監査実施団体(外部) 監査実施団体(外部)
頻度 毎事業年度1回以上(義務) 必要に応じて(臨時)
事前通知 あり(日程調整) なしの場合もある
対象 すべての登録講習機関 問題が疑われる機関
目的 定期的な第三者確認 特定問題の調査・確認
根拠 省令第6条 実施要領・実施細則

監査前準備チェックリスト

計画的監査・随時監査のいずれにも対応できる状態を保つために、以下の項目を定期的に確認してください。計画的監査の直前だけでなく、年間を通じた日常的な確認が随時監査のリスク低減にもなります。

確認確認項目関連する監査種別
学科・実地・修了審査の記録書に記載漏れがないか計画的監査・随時監査の両方
記録書が適切な期間・場所に保管されているか計画的監査・随時監査の両方
安全管理規程・緊急時対応手順が最新の基準に対応しているか令和8年6月施行の修了審査基準改正への対応含む)計画的監査・随時監査の両方
受講者の本人確認記録が整備されているか計画的監査・随時監査の両方
講師全員の技能証明の種別・有効期限・飛行経験を管理しているか計画的監査・随時監査の両方
講師・修了審査員の定期研修(3年ごと)の受講記録が整備されているか計画的監査・随時監査の両方
前回の計画的監査での是正指示に対して適切に対応したか随時監査のトリガー回避
講師の経過措置(国交省PDF参照)の適用可否を確認しているか計画的監査・随時監査の両方
随時監査のリスクを最小化する唯一の方法

随時監査は「問題があるから来る」ものです。計画的監査の合否に関わらず、日常的に適切な運営状態を維持することが随時監査のリスクを根本的に排除する唯一の対策です。「計画的監査が終わった」という安心感が油断を生むことに注意してください。

よくある質問

計画的監査とは、毎事業年度に実施が義務づけられている定期的な外部監査です。登録講習機関はすべて毎年受検する必要があります。一方、随時監査とは、不適切事項の疑いがある場合や重大な問題が発生した場合に、計画的監査とは別に実施される臨時の監査です。随時監査は予告なく実施される場合もあるため、常に適切な運営状態を保つことが重要です。
随時監査は、①計画的監査で重大な不適切事項が発見された場合、②是正指示に対して適切な対応が行われない場合、③重大な事故・インシデントが発生した場合、④国土交通省等から情報提供・通報があった場合などに実施される可能性があります。予告なしで実施される場合もあります。
毎事業年度に1回以上受検することが義務づけられています。事業年度内に講習を実施していない場合(受講者が0名の場合)は受検義務がないとされていますが、任意で受検することは可能です。事業年度終盤に集中すると日程が確保しにくくなるため、早めに監査実施団体へ連絡することをお勧めします。
基本的な確認項目(省令第6条の要件)は共通ですが、随時監査では特定の不適切事項や発生した問題に関連する事項が重点的に確認される場合があります。いずれの監査でも、講習記録・安全管理規程・講師の要件管理などが確認されます。
監査で不適切事項が発見された場合、監査実施団体から是正指示が行われます。是正が適切に行われない場合や重大な不適切事項がある場合は随時監査の対象となる可能性があります。また、外部監査で指摘されなかった事項についても後から行政処分の対象となる可能性があるため、継続的な適切運営が重要です。詳しくは初めての監査で指摘を受けやすい項目TOP5もご覧ください。
川﨑 一礼
この記事を書いた人
川﨑 一礼
監査事業責任者 / 行政書士(大阪会所属)
ドローン法務を専門とする行政書士。登録講習機関等監査実施団体として多くのドローンスクールの外部監査を担当。省令・実施要領・実施細則に精通した立場から、計画的監査・随時監査のいずれにも対応できる適切な運営体制の構築を支援しています。
行政書士かわさき事務所 / 株式会社フォローアップ

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